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マンジャロ(チルゼパチド)で体重管理|日本での処方ガイド

GLP-1医療ダイエットの詳細については、完全ガイドをご覧ください。

執筆:ノア編集部 2026年4月16日公開 · 約10分

マンジャロ(一般名:チルゼパチド、tirzepatide)は、2型糖尿病の治療薬として開発され、その後の大規模臨床試験において体重管理への応用が注目された医薬品です。本記事では、チルゼパチドの作用機序、主要な臨床試験データ、適用対象となりうる方の特徴、および日本における適正な処方の流れについて、医学的根拠に基づきご説明します。

重要なお知らせ: 本記事は情報提供を目的としており、医療上のアドバイスを構成するものではありません。マンジャロを含むすべての処方医薬品は、医師の診察・処方のもとでのみ使用できます。本記事は薬機法の規定に従い、効能・効果の断定的な表現は用いておりません。


チルゼパチドとはどのような薬ですか?

チルゼパチドは、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体とGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)受容体の両方に作用する「二重受容体作動薬」です。

この二重作用メカニズムにより、以下のような薬理学的効果が期待されています。

  • 食欲の抑制:脳の食欲調節中枢に作用し、摂食量の低減をサポート
  • 胃内容排出の遅延:満腹感を持続させ、食事量の調整をサポート
  • インスリン感受性の改善:糖代謝および脂質代謝に関与
  • 血糖値の管理:食後の血糖値上昇を緩和

GLP-1受容体のみに作用する薬剤(セマグルチドなど)と比較して、二重作用による相加的な効果が臨床試験で確認されています。


主要臨床試験:SUMROUNTプログラム

SURMOUNT-1試験

SURMOUNT-1は、2型糖尿病を有しない肥満成人を対象とした、無作為化・二重盲検・プラセボ対照の第3相臨床試験です。2022年にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(Jastreboff et al., 2022)に掲載されました。

研究概要:

  • 対象:2,539名(BMI≥30、またはBMI≥27かつ体重関連合併症を1つ以上有する成人)
  • 試験期間:72週間

72週時点での体重変化率(平均):

投与量 平均体重減少率
チルゼパチド 5 mg −15.0%
チルゼパチド 10 mg −19.5%
チルゼパチド 15 mg −20.9%
プラセボ −3.1%

最高用量(15 mg)群では、参加者の約3分の1が体重の25%以上の減少を達成しました。これは従来の薬物療法では得られにくかった結果です。

SURMOUNT-2試験

SURMOUNT-2(Garvey et al., 2023、ランセット)は、肥満症と2型糖尿病を併存する938名の成人を対象とした第3相試験です。糖尿病を有する患者群では体重管理がより困難であることが一般的に知られています。

72週時点の結果:

投与量 平均体重減少率
チルゼパチド 10 mg −13.4%
チルゼパチド 15 mg −15.7%
プラセボ −3.3%

糖尿病合併の患者群においても、チルゼパチドはプラセボを大幅に上回る体重減少効果を示し、HbA1c(糖化ヘモグロビン)の有意な改善も確認されました。


使用が検討されうる方の特徴

チルゼパチドによる体重管理は、一般的に以下の条件に該当する方を対象として処方が検討されます(最終的な判断はすべて主治医が行います)。

  • BMI 30 kg/m²以上(肥満症)の成人、または
  • BMI 27 kg/m²以上で、高血圧・糖尿病予備群・脂質異常症・閉塞性睡眠時無呼吸・非アルコール性脂肪肝などの体重関連疾患を1つ以上有する方
  • 食事療法・運動療法など生活習慣の改善に取り組んだが、十分な効果が得られなかった方

診察では、詳細な問診、血液検査(血糖・脂質・肝機能・腎機能など)、および体組成評価が行われます。


使用できない方(禁忌・慎重投与)

以下に該当する方にはチルゼパチドを使用できません(禁忌):

  • 甲状腺髄様癌(MTC)の個人歴または家族歴がある方
  • 多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の方
  • 急性膵炎または膵炎の既往がある方
  • 重篤な消化器疾患を有する方
  • 妊娠中または授乳中の方

また、胆嚢疾患、糖尿病性網膜症、腎機能障害の既往がある方は慎重に使用する必要があります。服用中のすべての薬(市販薬・サプリメントを含む)を医師に必ずお伝えください。


副作用について

SURMOUNT-1およびSURMOUNT-2試験で最も多く報告された副作用は消化器系のものでした。多くは投与開始初期や増量時に一時的に生じ、時間とともに軽減していく傾向が確認されています。

主な副作用:

  • 悪心(最も多い。多くの場合、数週間以内に改善)
  • 下痢
  • 便秘
  • 嘔吐
  • 食欲低下(多くの場合、治療上の効果として評価される)

副作用の発現頻度・重症度は用量依存的であり、低用量(2.5 mg)から開始して段階的に増量することで、発現リスクを大幅に低減できることが示されています。


投与方法:用量漸増スケジュール

チルゼパチドは週1回の皮下注射で投与します。注射部位は腹部・大腿部・上腕部のいずれかです。

標準的な増量スケジュール:

投与期間 用量
第1〜4週 2.5 mg/週
第5〜8週 5 mg/週
第9〜12週 7.5 mg/週
第13〜16週 10 mg/週
第17〜20週 12.5 mg/週
第21週以降 15 mg/週(忍容性が確認された場合)

増量ペースは耐容性を確認しながら主治医と相談の上で決定します。10 mgで十分な効果が得られる方も多く、必ずしも最高用量まで増量する必要はありません。


チルゼパチドとセマグルチドの違い

日本国内で処方される主要なGLP-1系薬剤として、チルゼパチド(マンジャロ)とセマグルチド(オゼンピック)が比較されることがあります。

薬剤 作用機序 最高用量での平均体重減少率
セマグルチド(2 mg) GLP-1受容体作動薬 約−10〜14%
チルゼパチド(15 mg) GLP-1+GIP二重受容体作動薬 約−20〜21%

チルゼパチドはGIPという第2の受容体にも作用することで、臨床試験においてより大きな体重減少率を示しました。どちらの薬剤が適切かは、個々の病態・既往歴・生活状況などを踏まえて医師が判断します。


日本でチルゼパチドを処方してもらうには

日本においてマンジャロは医療用医薬品(処方箋医薬品)に分類されており、医師の診察・処方なしに入手・使用することは法律で認められていません。海外の無認可ルートや規制外のオンライン薬局からの購入は、偽造品・不適切な用量・医療管理の欠如といった重大なリスクを伴います。

適切な手順:

  1. 体重管理の経験を有する医師に相談する
  2. 代謝評価を受ける(血液検査、BMI測定、合併疾患の確認)
  3. 個別の処方と開始用量の指示を受ける
  4. 正規の薬局または医療機関から薬剤を入手する
  5. 定期的な経過観察を受ける(肝機能・腎機能・血糖・体重・副作用の確認)

医師の監督下でのプログラムでは、副作用が生じた際の対応や用量調整の相談も可能です。


よくある質問(FAQ)

Q:マンジャロは日本で肥満治療薬として承認されていますか?

A:チルゼパチド(マンジャロ)は日本において2型糖尿病の治療薬として承認されています。肥満症管理への使用については、処方医が個々の患者の状態を評価した上で判断します。最新の承認状況については担当医にご確認ください。

Q:チルゼパチドを使い始めてどのくらいで変化が見られますか?

A:食欲の変化は投与開始後1〜2週間で感じ始める方が多いとされています。体重の変化として実感できる効果は8〜12週頃から現れることが多く、最大効果には6〜12ヶ月を要します。効果の現れ方には個人差があります。

Q:投与を中止すると体重は戻りますか?

A:SURMOUNT-4試験では、チルゼパチドを中止した後に体重が部分的に戻ることが確認されています。肥満症は慢性疾患であり、長期的な管理計画については主治医とご相談ください。

Q:糖尿病でなくてもチルゼパチドを使用できますか?

A:SURMOUNT-1試験は糖尿病を有しない肥満症の成人を対象としており、高い体重減少率が示されました。ただし、実際の使用については医師の診察・判断が必要です。

Q:マンジャロの費用はどのくらいかかりますか?

A:費用はクリニック・用量・プログラム内容によって異なります。詳細はご利用のクリニックに直接お問い合わせください。

Q:自己注射は難しくありませんか?

A:マンジャロはオートインジェクター型のプレフィルドペンで提供されており、医師・看護師による指導のもとで安全に自己注射できるよう設計されています。初回は医療機関で練習することをお勧めします。


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本記事は薬機法の規定に従い作成された情報提供コンテンツであり、特定の効果・効能を保証するものではありません。マンジャロ(チルゼパチド)はすべて医師の処方・指示のもとで使用してください。


参考文献 / References

  1. Jastreboff AM, et al. "Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity." New England Journal of Medicine. 2022;387(3):205–216. doi:10.1056/NEJMoa2206038 (SURMOUNT-1)
  1. Garvey WT, et al. "Tirzepatide once weekly for the treatment of obesity in people with type 2 diabetes (SURMOUNT-2): a double-blind, randomised, multicentre, placebo-controlled, phase 3 trial." The Lancet. 2023;402(10402):613–626. doi:10.1016/S0140-6736(23)01200-X (SURMOUNT-2)
  1. Ludvik B, et al. "Once-weekly tirzepatide versus once-daily insulin degludec as add-on to metformin with or without SGLT2 inhibitors in patients with type 2 diabetes (SURPASS-3): a randomised, open-label, parallel-group, phase 3 trial." The Lancet. 2021;398(10300):583–598. (SURPASS-3)
  1. Del Prato S, et al. "Tirzepatide versus insulin glargine in type 2 diabetes and increased cardiovascular risk (SURPASS-4): a randomised, open-label, parallel-group, multicentre, phase 3 trial." The Lancet. 2021;398(10313):1811–1824. (SURPASS-4)

執筆:ノア編集部

最終更新 2026年4月16日

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